彼女志願!

「どうどう。ほら、もえっち、お茶飲んで」



ツトム君が私のマグにたっぷりとコーン茶をそそぎ、それからクッションに投げつけた携帯をひろい、テーブルの上に置いてくれた。



「……ありがとう。はぁ……」



香ばしいお茶をごくごくと飲み干したあと

私はまたどっかりとクッションの上に座り込み、膝を抱え、大きなため息をつく。




12月に入ってからちょくちょく、母親から電話がかかってくる。


最初は無視してたけど、そうすると一時間おきにかかってきて迷惑だから

仕方なく二日にいっぺんくらいは取るようにする。


そうすると、こちらの都合も聞かず、帰ってこい、の一点張り。


しまいには結婚してないことを責められたりして、本当に気が滅入る。





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