彼女志願!

そして分厚めのニットカーディガンを羽織り、首にはぐるぐると千鳥格子のマフラーを巻いている。


モスグリーンのセルフレームの眼鏡をかけた穂積さんは、なんだか文学青年みたい。


素敵だなぁ……。

って、それどころじゃなかった。


これから不眠不休の地獄の年末進行が始まるというのに、穂積さんはそのことを出勤前に伝えにきてくれたんだ。


なにか言わなくちゃ。



「えっと……わざわざ言いに来てくださってありがとうございます」



ぺこりと頭を下げる。



穂積さんの気遣いを嬉しいと思うと同時に、やっぱり申し訳なくなってしまう。



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