彼女志願!

よろめきつつ彼の背中に腕を回すと


「萌は」

「はい」

「俺に会えなくて寂しくないんですか?」

「え?」

「俺はこんなに寂しいのに」

「――」


背中に回る腕の力が強くなる。



「萌をポケットに入れて持っていきたい」



そっとこめかみにふれる穂積さんの唇。


長い指先が耳からあごのラインをなぞり、私の顔を持ち上げる。


セルフレームの奥の瞳が、濡れたように輝きながら私を見つめていた。




< 303 / 648 >

この作品をシェア

pagetop