ガルドラ龍神伝―外伝章―
第二話:サマナー達の冒険の始まり、弓使いの封印
魔族を愛する人間が多い世界。


リタとヨゼフは、突然の境遇により、この世界での冒険を余儀なくされている。


そして、彼女達が二人の人間と出会ったのを機に、その冒険の扉が開かれた。


グラナダは、同じく養成学校の門の前に立っているミリフに話しかける。


「ミリフ、お前はどの辺を当たるつもりだ?」


「そうだな……。


とりあえず俺は、学校から南に四十キロ行った所にある、≪氷雪の街ラサディス≫に行ってみようと思うんだ。


グラナダは?」


「俺は、リタが言ってた闘技場の情報を掴むために、あちこち行ってみようと思うんだ。


一刻も早く、リタの親父さんを助けてあげたいんだ」


「そうか。


じゃあ、まずはお互い戦力をつけなきゃな。


俺達はまだ新米だし、なにせこのチビが相棒じゃあな……」


ミリフの≪チビ≫という言葉に、ヨゼフはむっとした。


が、ここで怒っても仕方がないと思ったのか、彼は肘でミリフの腹をドスッと突いた。


「いってぇ。


いきなり何するんだよ、ヨゼフ」


ミリフは腹を抱えながら、言った。


ヨゼフは冷ややかな微笑を浮かべて、


「ふん! 僕を怒らせるあんたが悪いのさ」


「お、俺、こいつを怒らせることを言ったか?」


「まあ、彼は悪口に敏感だからね。


ヨゼフ、二人で仲良く旅をするんだよ」


リタは、穏やかに言った。


彼女達は二組に分かれて、修行の旅に出る。


門を出て間もなく、グラナダはリタに質問する。


「君の親父さんって、どんな砂龍族なんだい?」
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