机の上で逢いましょう。

信じる。信じている。

「―卒業生、入場」

静まり返った体育館に
先生の声と、沢山の拍手がこだました。

本当に、別れなんだって
実感した。

でも、やっぱり
涙が出ない。




何処?
何処にいるの?

逢いたいの…。

ただ、それだけ…。







「………っ…」



感動したわけでもないのに、涙が溢れた。


それはきっと
ただ、
悲しかったから……。




『さよなら』
その言葉は、
心にとめておいた。
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