ふたつ星
「はい、やっぱり辛いです……」
私は正直に答えた。
何よりも言葉で傷つけられるのが一番辛い。
“死ね”とか簡単に口にされると凄く凄く悲しいんだ。
「哀れな人間だと思えばいい」
「え?」
酷く冷たい声色で翔さんが呟いた。
「いじめをする人間なんか、人の痛みもわからない愚かな人間だ。そして自分の馬鹿さ加減に気付いてもいない」
翔さんは淡々と語り、最後に私を真っ直ぐに見つめて優しく言った。
「だから、お前は堂々としていればいい」
「はい……」