ふたつ星


階段を降りると朝食のいい香りがしてくる。



私がリビングに姿を現すとお父さんが新聞から顔をあげる。



お母さんが台所から顔を出す。



「おはよう」



そして、口を揃えてそう言った。



「おはよう……」



小さく呟くと、ダイニングテーブルの椅子をひき腰掛ける。




日曜日の朝の平和な家庭の風景。




でも、私は自分がその風景から浮いているような気がしていた。



なんとなく馴染めない。



2人が気を遣ってくれているのはわかるけれど、家族ってそうやってなるものなのかな?




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