スイートルームの許婚

「出て行って!!」


私にすがるお母様の両手を強引に引き剥がした。



「由可奈!?お母さんはちゃんとあなたに謝ってるでしょ?」



お母様は私の態度が気に入らないのか…ヒステリックに怒り始める。



「この場で聞かされて納得の出来る…コトじゃあないわ!もっと、私のキモチを考えて!!」


お母様は自分のコトしか考えていない自己中な人。



「由可奈あなたは…私のキモチを考えてくれたコトあるの?」



「お父様は私を甘やかすコトで、トーガの母親に対する思いを隠し、お母様は元のカレに未練を残して、お父様の子供であると思った私をずっと恨み、責め続けた…。元カレの子供だと知って…私に謝罪するのはいいけど。私のコトを本当に思うなら、隠すべきコトでしょ?聞かされた私に許せと言うのは…愛する元カレの子供だと気づかず…恨みゴトばかり、言って来た自分を消し去りたいんでしょ?」



どっちも本当に身勝手な親ーーー・・・

互いに政略結婚とは言え、一緒になるべき二人ではなかった。