スイートルームの許婚
ルームサービスを運んできたのはあの愛斗。



「あら?昨日と同じ…でも、この金の鍵のバッチは確か…コンシェルジュ?」



あっちゃんは首を傾げて、愛斗を見つめる。



「俺は000号室のお客様の世話役を兼任したコンシェルジュの小早川愛斗です」




愛斗は抑揚のない仕事モードの口調であっちゃんに自己紹介。



「愛斗!?もしかして、あなたが桜先生の想い人??」



「えっ!?」


無表情だった愛斗の顔が驚きの表情に。



私はあっちゃんの口元を手で押さえこんだ。



「んっ・・・さ…さ…く…」



あっちゃんは必死に口を動かす。



「変なコト言わないで…あっちゃん…後で事情…説明するから…」

私はあっちゃんの耳元で囁いた。


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