手を伸ばせば、届く距離まで。



どうだ、と言うくらいに見つめる校長。


卒業以来だけど、痩せたように感じた。


もう年だったのかもしれない


『…嫌いのままでいる人は、めったにいないだろうね』


…はい。


『自分のために、一生懸命になってくれる。


 それはもう、最大の礼儀なのだよ』


…どうすれば良いですか?


俺、まだ将来が分からないんです。



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