手を伸ばせば、届く距離まで。



罪滅ぼしになりますように。


いつしか、そんな想いでカウンセリングしていた。


自殺を考える人には、泣いてわめいて止めたりした。


嫌だった。


死なないでくれ、お願いだから。


『お前なんか━━━!!』


俺が一生懸命謝っていたら、こんな事にはならなかったはずなのに。


傷。


彼に与えた傷は、相当なものだっただろう。



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