手を伸ばせば、届く距離まで。



『―――あたし……』


音楽を、やりたい。


華織は何かしら、イベントでは音楽を担当していた。


ピアノ、合唱、リコーダー、ギター、カスタネットまで。


何でも喜んでしてた。


好きだから。目指すべき、夢だから。


『華織。ちゃんと好きでいるから。…行っておいで』


『…圭……』


寂しがるのは、俺かもなあ。


けど、華織の夢が一番だ。



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