手を伸ばせば、届く距離まで。

□先輩と後輩




――――――


「あらー、良い子ねえ」


はぐはぐと昼食を食べる男の子、悠生をなでる。


緩慢で優しい顔つきのシッターは、紙を確認した。


暗記するように、口に出して読む。


「外へ散歩…ね。歩く練習だったかしら」


うむ、とひとりでに頷く。


悠生は「ぱー、ぱー」と繰り返していた。


何となくシッターも便乗してみる。楽しいのだろうか。



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