手を伸ばせば、届く距離まで。

□支え合い笑おう




――――――▼真樹side.


泣くだけ泣くと、心なしかスカッとした。


一人きりになりたくて、酒場をでた。


トン、トン。


足を地面に当てる、小さな軽い足音だ。


俺は、そちらに体を向ける。



「…愛桜?」



カールした長い髪が、寂しげに外で揺れていた。


この潤いつり目は、間違いなく愛桜だ。


愛桜は少し近寄ってきた。



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