ひとつの花

#2

『花菜、次移動教室だよー』

「まじ?ちょっと待って〜」


あたしの名前を呼んだのは
大好きな頼れる女友達。

浅香沙菜(アサカサナ)14歳

同じクラスで、なんでも
相談しあえるような仲。

恋愛相談はいつも沙菜。

―ドンッ

人がぶつかってきた。

『わっごめん!』

その声の主は、花菜なら
振り返らなくともわかる。
そう、一夜だった。

「あ、うん。だ、大丈夫」

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