そしていつかの記憶より
「あれ、先輩たちもう戻ってきたんですか」


シートのところに戻ってきた私とささくんに逸早く気付いた乃架ちゃんが、不思議そうにそう言った。
私は気まずくて視線を逸らしそうになったが、ささくんは何もなかった様子で会話に参加する。



(こういうところも、ダメだなぁ・・)





自分で自分の行動に落ち込む。
つまり自己嫌悪って奴らしい。





「どーしたの、いつか?何か元気ないけど」


あまり会話に参加しない私を不審に思ったのか、陽子が心配そうに話しかけてきた。


「ううん、ちょっと考え事・・・そういえば、先輩たち遅いね?」
「あの二人、ちょっと怪しいですよね~!」


乃架ちゃんがニヤニヤ笑いながら会話に入る。
加奈先輩とふじ先輩・・・確かに怪しい・・・??




「確かに。ふじ先輩、加奈先輩のこと好きっぽいしな」


木原くんがいつもの表情でそう言う。
ささくんも、なんとなく神妙な顔つきで頷いている。



「いつか先輩はささ先輩と付き合ってますし、ふじ先輩は加奈先輩が好きみたいですし。うらやましいな~」
「でも乃架ちゃんはモテるし・・・好きな人いないの?」


私がそう聞くと、乃架ちゃんはんー、と考えるそぶりを見せる。
そして、あ、と呟いて指を刺す。



「じゃー乃架は余ってる木原先輩と付き合いますねっ!」



ブーーッッ!!



と、陽子が飲んでいたはずのペットボトルのお茶を噴出した。


木原くんは、いつもの表情で、不思議そうにしてこちらを見ていた。
会話は聞いていたはずなのにあまり驚くそぶりを見せない。


「ちょっ、乃架!それ本気っっ!?」
「乃架はいつだって本気ですよ~??」

しれっと言い放つ乃架ちゃん。
多分、冗談なんだろうな・・・。



「・・・、」




何故だかちくり、と胸が痛んだ。
どうしてだろう・・分からない、分かっちゃいけない・・・。




考えるな、私。
もうそのことは終わったんだ、きっと───
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