生まれ変わってもキミが好き【完結】
親友の目がゆっくりと、大きく見開かれていく。
あたしはそれを見つめながら、心からの言葉を伝えた。
「だから、もう泣かないで」
「なん……あ! おい!?」
言いたいことだけ言って、あたしは逃げるように走り出した。
逃げるように、じゃない。
逃げたんだ。
いまのあたしは『柏木リン』じゃない。
別人の小鳥遊凛の言葉だから、芽衣子にはちゃんと伝わらないだろうけれど。
言わずには、いられなかった。
本当は、ごめんねって、謝りたい。
抱きしめて、謝って、笑い合いたい。
でも、それはできないから。
あたしは小鳥遊凛だから。
ごめんね、芽衣子。
ごめんね、『るいち』。