恋しても、愛しても、夢は見ないから
聖の証が他の男に
上書きされる…
身体が急速に冷えて
温度を失っていくようだった。
少しの繋がりでも
失うことが怖くて仕方なかった。
『………ふぅん…。
そんな顔もするんだ…』
急激に気持ちが冷める。
聖の温もりを感じたくなる。
幸先輩の温度の下がった声に
引き返せない危機感を感じる。
じわりと逃げるように
回された腕をほどこうとするけど
それはもう手遅れだった。