とある夢追人の物語
ユウが「そっか、親友とかって言うのもわかんないし」


そう言ったから、目も合わせないで

「……親友?ただ一緒にいていいなって思えばいいじゃん」って答えて。


「私達は何?親友?」って聞かれて。


「そうじゃない?」って答えを返した。


後悔をしても遅いけど。

まだ半分も来てない人生かもしれないけど、本当に大好きだったんだ。


ただ、ユウが変わったのが怖かった。


私がもう一度向き合って、救ってあげられれば良かったのに。


質問に答えてあげられれば、良かった。


「私はユウが大好きで、ユウに助けてもらった。ありがとう。ユウとは親友でいたいよ」って


短くしてもいいから、そう言う気持ちを伝えてあげられれば良かった。


自ら完璧な親友を捨てた。
裏切ったんだよね。

"自分の意思を伝え相手に理解をしてもらう"事を恐れてた。


ムダだし、馬鹿馬鹿しいって


でも時には必要だって事もある。


二度と、こんな事ないように私は今、熱血だって思われても馬鹿馬鹿しいって思われても伝えるようにしてる。


真っ直ぐぶつかって来る人には真っ直ぐぶつかってみたりする。


友達は"素直で居る事"が一番だから。


私は、"評価"して、恐れて。逃げた。


高校の初登校日、自信がなくて「一緒に行こう?」ってメールしたら
ユウから「一人でいけば?」って返ってきたの。


その時はスッゴいムカついた。


一人で行ったけど席は最初だから、出席番号順で。


私とユウは名字も似ていたから私が前、ユウがすぐ後ろに居た。プリントを回したけど目も会わせなくて。


ユウは美人さんだったし、私がその隣にいると釣り合わなかったからその事に関しても同じクラスになった生徒から言われたよね。陰口で。


「あの子、可愛いけど…その隣はね」みたいなね。芸能人の学校かよ!!ってムカついたけど。何日も行かなかったんだ。


学校を辞めたの。


その学校の中に通信もあったけど制度が出来たばかりで、きちんとしてないし災厄だったからね。


その年の11月。
ユミと同じ通信制に通ったんだ。

ユウにはサヨナラも言わなかった。

携帯も変えてアドレスも消したんだ。
< 39 / 41 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop