ルビゴンの河の先





私はこほんとわざとらしい咳払いをして竹中さんを見据えた。



「…なんだ」


「大事なことを話します。えーと、この時代の日本には戦がありません。世界を敵に回した戦に負けて、武力放棄をしました。…だから、武器を持ってはいけないんです」




………やっぱり疑っちゃう、よね?


初めて出会ったときと変わらないくらいの殺気を込めたまなざしが私に刺さる。
しかしここで怯んでは今後私の命も危ないわけで、私だって必死なのだ。



「たとえ刀がなくたって、きっとあなたなら素手でも戦えますよ。この時代の人は弱いですから」





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