ルビゴンの河の先
「何の用だ」
自分でも驚くほどの低い声。俺が知らぬ間に殺気を込めた眼差しで男を睨むも、それに気づく様子もなく部屋に入ろうとする。
…この世の男はこうも鈍いのだな。
「そりゃこっちのセリフだから。久々に顔合わせたら相変わらず美人だし、まだ俺に未練タラタラみたいだから慰めに」
「―――失せろ」
最後まで聞く耳なんか毛頭なかった。
俺は男の胸ぐらを掴み玄関の壁に叩きつける。
その音に反応したあかりがこちらに向かってくる気配がしたけど、俺はかまわず男を睨んだ。
「お前のような下種にあかりは渡さない。これ以上あかりに近づくな、消えろ」