誘う華
「挨拶はいいって、言ってるのに。」


と、アノン様がいいながらあたしの腕を掴んで立たせる。


「跪づく必要もないよ。毎晩になってベルちゃんも体大変でしょ?」


「いえ…そういうわけには。体は大丈夫です。ご心配なさらずに吸ってもらって結構です。」


「ハハ。ベルちゃんは相変わらずだね。」


アノン様は悪いねっと言いながら、あたしを引き寄せ首筋に牙を突き立てる。

血を貪る時はアノン様は、遠慮なくかぶりつく。
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