黒い炎
それは悋気

あの日から、鈴が家に来る回数は増えたが…2人になる時間は無い。



あの時の彼女を思い出し1人自分を慰める日々…情けない。





手を伸ばせば容易に触れられる距離にいるのに…。




鈴には桜がくっついてやがる…見張りか?



桜がいれば当然のごとく…「桜…ってまだ呼べないんだよなぁ」うな垂れる亮がくっついてくる。



「んな事俺に関係ねぇし…つーか帰れようっとうしい」

「な…酷い!!こんなにも悩む親友に帰れよなんて」

「大した悩みじゃねーだろ!」



酷いー…とクッションに顔を埋める亮を足蹴してやる。




「ぐわっ…暴力反対!!」
「てめぇは女か…煩いんだよ」
「酷いー」




こんなやり取りをしながらも、桜の部屋に居る鈴が気になって仕方ない。

< 169 / 207 >

この作品をシェア

pagetop