黒い炎
途中振り返って男を見たが、
彼はずっと頭を下げたままだった。



「鈴…あれで良かったのか?」

「…うん…私ね過去に囚われていたくない!

前に進みたい!って思うようになったの」


立ち止まった鈴が言う。


「私を変えてくれてありがとう」


俺が彼女に出会ってから見た中で、
いちばん綺麗な笑顔だった。

彼女を幸せにする。

心の中でそう誓った。



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