竜王様のお気に入り
しばらく待たされはしたものの、シリュウはお待ちかねとばかりに、イソイソト王宮にやって来た。


誰の目から見ても、シリュウのご機嫌な様子がよく分かる。


イオリはそんなシリュウに半ば呆れたが、嫌々ながらもコウリュウの元に案内しなくてはならない。


「コウリュウ様。
シリュウ様をお連れ致しました。」


シリュウが通されたのはコウリュウの自室ではなく、こじんまりとした応接室であった。


コウリュウは、ただソファーに座っているだけなのだが、ため息が出るほどに妖艶な美しさだ。


シリュウはうっとりと、コウリュウに熱い眼差しを送った。


「この度のコウリュウ様よりのお召しに、あたくし喜んで参上致しました。」


コウリュウに、向かいのソファーに座るように促され、シリュウはしずしずと従った。


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