ランデヴー





打ち合わせを重ね、遅くまで残業している私に、ある日陽介が「飲みにでも行こう」と誘ってくれた。


私から発せられるただならぬ負のオーラを、感じとったのかもしれない。



私は嬉しさに心を震わせながら、2つ返事でついて行った。


その時は陽介が既婚者だとか、そんなことは何も考えていなかった。


ただ本能に従って行動したと言うのが正しいかもしれない。



初めて外で話を聞いてもらった時、私はお酒の力も相まって号泣したものだ。


何を話したか忘れるくらいにめちゃくちゃになっていたが、それでも陽介が真剣に話を聞いてくれたことは覚えていた。


優しく頭を撫でてくれたあの温もりは、それだけで私の心を励ました。



それからも陽介は時々私を誘ってくれ、そんな彼に心底懐いた私は、色んなことを相談した。


陽介は時に厳しく、時に諭すように助言をくれて、私はだんだんと会社での自分の立場というものを学んでいったような気がする。
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