ランデヴー
私達はお互い納得済みで別れたはずだ。


それに私は響子さんに、もう陽介とは会わないと約束したのだ。


仕事ではそんな訳にはいかないが、2人きりで会うことはもうできない。



そう思っているはずなのに……私の気持ちはぐらぐらと揺らいでいた。


陽介に……会いたい。
話がしたい。



私達の関係がどうにもならないことはわかっている。


それでもいい、それでも――。



「……香川さん、ですか?」


思わず席を立とうとしていた私に、隣から倉橋君がそう声をかけた。


ハッと息を吸い込み隣を見ると、険しい顔をして私を見ている倉橋君がいた。



「べ、別に……」


私は慌てて携帯をデスクに置くと、倉橋君から目を逸らす。



何故わかったのだろうか。


私って、そんなにわかりやすいだろうか……。
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