ランデヴー
玄関を開けて家に入ると、シンとした空気が私達を包む。
冷え切ったこの部屋が、私達の関係を象徴しているように感じた。
最後にここに陽介が来たのは、ドライブの時だった。
あの時のことが、既に遠く懐かしい出来事のように思える。
ほんの少し前の出来事なのに。
「お茶で、いい?」
「いや、何もいらないよ」
陽介はそう言うが私は黙って首を振りキッチンに向かうと、冷蔵庫からペットボトルのお茶を取り出して簡単に2つのカップに注いだ。
いつも陽介と使っていた、お揃いのカップ……。
今日で使うのは終わりにしよう、と思うと何だか悲しくなる。
まだ使えるのにゴミにされようとしているそれを、私はローテーブルの上に、コトリと音を立てて置いた。
そして、ソファに腰掛けている陽介の隣に座る。