ランデヴー

まるで雑誌から抜き出てきたかのような8頭身のモデル体型と整った顔立ちに、誰もが息を呑んでいるようだった。


憂いを含んだ光を宿らせたくりっとした二重瞼の瞳は、吸い込まれそうになる程に魅力的だ。


形の良い鼻に、少し口角の上がった唇。


緩くパーマのかかった、茶色いふわふわの髪。


どれをとっても、ため息の出る完璧さだ。



「とりあえず最初は生産管理ってことで……坂下」


部長が私の名前を呼ぶ。



「はい」


「この前も言ったけど、色々教えてやってくれよ」


「……はい」



そうか、うちのチームに入るのか。


いや、聞いていたけど忘れていた。


新入社員が来るって、確かに聞いていた。