花は野にあるように
その事が解っただけで、僕の身体に体温が戻ったようにあたたかな気持ちになる。


さっきまでは口に入れても、なんの味も感じなかったご飯の甘さも感じることが出来るし。


「リョクが居てくれて、ホントに良かった。」


僕は心の底からの思いを込めて言う。


もし僕1人だけだったら、何にも出来ないまま、ずっと手をこまねいて、しおれて枯れていくこの子をただじっと見ているだけしか出来なかったんだろうなって思うもの。


「俺、役に立ってる?
それは嬉しいな。」


リョクも軽く笑ってそう言うと、ものすごいスピードで牛丼を飲み込むように食べ始めた。
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