花は野にあるように
瞬間冷凍されてしまったみたいに、ピキーンと固まった僕を鼻で笑うと、その人はドスンと大きな音を立てて、僕の後ろの席に座った。


「………ふぅん、いい眺めじゃん。」


後ろから聞こえた声に僕はちら、と後ろの様子をうかがった。


後ろの人物は行儀悪く長い足を投げ出して、眼下を見下ろしていた。




そこにはレオタード姿の女子が創作ダンスの授業を受けに体育館へ向かっている姿が見えていた。



………やっぱり痴漢だよね、この人。


僕の誤解じゃないと思う。
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