花は野にあるように
「手紙には書いた人の気持ちがこもってるんだから、大事に扱ってあげなきゃダメだよ?」


指を立てて言う僕に、リョクはハイッと賢く手を挙げて返事をした。


……すっごく、守る気なさそうな返事だよね。


「あ、そうだ。
ミキ。
俺、ちょっと電話するトコあるから出てくるな。」


教室の時計を見上げて、何かを思い出したような素振りをしたリョクは、そう言って携帯電話を手にして出ていった。


ふぅん?


珍しいなぁ。


リョクが携帯電話を使うところをあんまり見た事のない僕は、そんな事を思った。
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