花は野にあるように
水筒に入れてきた、あったかいほうじ茶をコップに注いでリョクに渡しながら、僕は苦笑する。


そんなに急いで食べなくってもいいのに。


「うん、展示。
去年まではね、顧問の先生の趣味もあって菊の花を展示していたんだ。」


こんな風に、って言いながら僕は小さなアルバムをリョクに見せる。


そこには、去年の文化祭に展示していた菊の鉢や顧問の先生と僕の写真なんかが貼られている。


「………どうして、ミキとヤマゲンがツーショットで写真撮影してるわけ?」


リョクが眉を寄せて、不機嫌そうに言った。
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