花は野にあるように
「そっか?
俺はミキなら、主役にふさわしいと思うぞ。
前にも言ったと思うけどさ、ミキの魅力にあいつらが今まで気付いてなかった方がおかしかったんだよ。
今更、ミキをかつぎ出すなんて、すっげえ遅っ!
って、感じだけど?」


僕と同じ目線まで、しゃがみこんで、視線を合わせてくれながらリョクが言う。


「ま、でも、あいつらの目が節穴なおかげで、オレのミキが今まで、魔の手に引っ掛かってこなかったんだけどな。」


つん、と僕の額をつつきながらリョクが笑顔をくれる。


それはまるで、元気出せよって言われているような笑顔だった。
< 802 / 1,416 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop