花は野にあるように






………はずなんだけど。





「………も、やだ。」


まだ、朝露が光る花壇の前に座り込んで、僕は泣き言を呟いていた。


「んん?
どした、ミキ。
また、お姫さまは嫌だーっの発作か?」


リョクが少し楽しそうに言う。


ううう。


確かに、暇さえあれば愚痴ってるけどさあ。


「だってさ、ピンヒールって言うの?
すっごく細いかかとでさあ。
あんな靴で、立つのも大変なのに歩けるわけないよ。
それなのにさあ、監督ったら『ピンヒールにして、スカート丈をのばした方が清楚さが出る』なんて言ってさあ。」
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