花は野にあるように
たった1人の人でもいい。


僕の事を見守ってくれている人が居る。


それだけで嬉しくて頑張れるんだよって。


リョクのおかげで、理事長先生にまで覚えていてもらえる、そのたったひとつの事実を知っただけで、僕は嬉しくなれるんだよって。


そう、伝えたかったんだけど。


でも、リョクにとっては今更な事だよね。


だから僕はコクリ、とそんな想いを飲み込んでしまってから言った。


「リョクがいなかったら僕なんて以前のままで、たいして目立つ事もなく卒業していたと思うよ?」
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