【短】天使と悪魔のバレンタイン
まだ泣きたい気持ちを抑えて、女の子は涙を拭きました。


「泣き止まなきゃ…………いつまでも泣いてちゃダメだ」


男の子は消えてしまう前に、女の子に言っていました。


“笑顔を忘れずに、生きてくれ”と。


「――――笑おう」


女の子はフワッと美しい笑顔を浮かべ、真っ白な雪を降らす空を見上げました。


手元にはしっかりと、白と黒のマーブルチョコレートが握られています。




「ありがとう…………私は、幸せになります……」




男の子を愛し、愛され、強くなった女の子は、確実に新たな一歩を踏み出しました。









――――END――――
< 38 / 41 >

この作品をシェア

pagetop