SWEET HOME
ホテルのロビーで休んだら、体調もだいぶ良くなったみたい。


家に戻るタクシーの中で彼に連絡を入れようとしたけれど、ちょうど今頃空の上だということを思い出し手に取った携帯をバッグにしまった。


車は閑静な住宅街にさしかかり、緩やかに速度を落とした。


やがて見えてきたのは、晴れた空と同じ色したブルーの屋根。


建築科出身の彼が設計から内部にまでこだわったあたし達の家。


まずはじめにお出迎えするのは、器用な彼が作った鳥の巣箱のようなポスト。


嬉しい知らせをたくさん運んできてくれそうで、とっても気に入ってるの。


玄関へ続くレンガの小道の周りを彩るのは、大好きなお花達。


春は菫。夏はマリーゴールド。秋はコスモス。冬はスノードロップ…


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