俺様ナニ様王子様!?
カーテンを閉めても薄明るい部屋で、あたし達は何度も確かめ合う。


彼の指先がゆっくりと下に伸びて…


それだけで、あたしは声を上げそうになるのを必死で我慢した。


“お願い、早く”


口から零れそうになる言葉を飲み込んだ。


「樹里」


あたしの名前を呼ぶ声が、切ない色を帯びて…


渉もあたしが欲しいんだって、嬉しくなる。



なかなか触れてくれないかわりに、何度も落とされるキスに焦らされたあたしが、


「もう…」


そう言いかけた時だった。


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