俺様ナニ様王子様!?
嬉しそうな渉を見ていると、あたしまで笑顔になれるよ。


「…大好き」


あたしは溢れ出す気持ちを言葉にして伝えると、


「オレも」


お返しに、長い長いキスが降ってきた。



チュッ…


リップ音が響く中。


「そー言えば…」


渉があたしに触れながらも、何かを思い出したように言いかける。


「…んっ…え…なに…?」


気持ちよくてトロンとしていたあたしは首を傾げつつ、止めないでなんて思ってたリする。


だけど。


「さっき思いっ切り突き飛ばされたよなあ?」


「……」


しまった…


「わかってるよな?樹里?」


「あのっ…もうすぐママが帰ってくるかも…っ」


トロンとした気分も吹っ飛び、必死でお仕置きからの逃げ道を考えてるあたしに、


「じゃあ、早くしろよ」


渉がそう言って、あたしの腰を両手で掴む。


急に浮いた態勢にされたあたしは、嫌な予感でいっぱいになっていた。


これは…


もしかして…



思わず顔をひきつらせるあたしに、


「上乗れよ」


下からあたしを見上げた渉が、妖しい笑みを浮かべ命令を下す。


S王子様…降臨…


< 7 / 8 >

この作品をシェア

pagetop