天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅥ
が。

「ぐぎぎぎぎぎっ!」

生憎と龍太郎は考える事が苦手だった。

そんな彼が出来る防衛策といえば、力ずくで阿行の腕を引き剥がし、逃れるしかない。

両手で阿行の細腕を掴み、渾身の力を込めて引き剥がしにかかる!

「あぎょうさん、さぎょうご、いかに」

龍太郎の抵抗など意に介さぬように、繰り返す阿行。

声色は、更に低くなる。

「ぬがあぁあぁあぁぁぁっ!」

返答などしない。

ただひたすらに抵抗する龍太郎。

「あぎょうさん、さぎょうご、いかに」

繰り返す阿行。

彼女の腕はびくともしない。

とても人間の腕力では考えられない力だった。

それでも。

「食われてたまっかよっ!」

龍太郎は吠える!

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