恋愛音痴





「ぁ?お前等なにしてんの?」



蓮紅が近付いてくると
男達はあたしの腕から手を離して
“お疲れ様っす!”と頭をさげた



「ま、まさか
 蓮紅さんの知り合いだったなんて…」


目を泳がせてペコペコ頭を下げている

そんな男達を冷たい目で
見下ろしていた蓮紅は
あたしの腕を引っ張り
肩をグイッと引き寄せた



「今度こいつに手出したら
 ぶっさらうな」



そう真顔でいい歩き出した

肩を抱かれているから
不安定になるあたしの体

ふらふらしながらも
がんばって蓮紅のペースについていく





「いつものお前はどーした?
 一発ぐらいぶん殴れよ(笑)」


止めてあるバイクの隣に座り込み
馬鹿にするように言ってきた

口調は笑っているのに
顔は笑ってない

眉間にしわを寄せて
ポケットから煙草をとりだした



『だって、びっくりしたんだもん』


言い訳しながら蓮紅につられて
あたしもポケットから煙草をとりだす

しかもさぁ、ぶん殴れよって
あたし、そんな暴力的…?





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