この男、偽装カレシにつき
そのとき、センパイの私を抱きしめる手に力が入った。


何?
まだ寝惚けてんの?
全くこのオトコは、どんだけ人をおちょくれば気が済むんだろ。


悔しいから、このムカつくくらい長い睫毛でもちょん切ってやろうかな。
でもちょん切り返されたら私の方はシャレにならないから、やっぱり止めた。


「一体どんな夢見てんだか」


私が呆れてそうつぶやいたとき、


「ユキノ…」


センパイは知らない名前を呼びながら、私の髪をそっと撫でたんだ。
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