この男、偽装カレシにつき
そのとき。
不意に大野センパイに手を掴まれた。


「へ?」


呆気に取られているうちに、傘を持ってない方の腕で抱き寄せられる。


橘センパイと同じくらい大きい胸に、私の体はすっぽりと包まれてしまった。


初めての抱擁に、なんか不思議な気分。


「お、大野センパイ…?」


ゆっくりと見上げると、大野センパイは眉を下げて私を見ていた。


ポンポン。
大野センパイが抱きしめていた手で私の肩を優しく叩く。


大野センパイは私を落ち着かせようとしてくれたんだと気付いた瞬間、余計に橘センパイたちのことが気になった。
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