この男、偽装カレシにつき
しまった!
このオシャレな革のストラップが付いたケータイは、センパイのだ!!


センパイは持ち物を他人のバッグに突っ込むクセがある上に、たまたまケータイの機種が私と同じだったから、間違えそうだってずっと思ってたんだよね。


今までは持って帰った程度で済んでたケド、ついにやってしまった。


マズイ。
センパイの留守電、聞いちゃったよ…。


訳が分からなくて当然だよね。
だって純ちゃんじゃなかったんだもん。
私ってば、どんだけおっちょこちょいなのよ。


って、ちょっと待って。


じゃあ、この声って…。


『彼がいなくて不安で…。
隼人くんに側にいて欲しいって思ったんだけど、やっぱりそんなこと頼めないよね…』


雪乃さん…?


そこでメッセージが途切れた後、私はしばらく息さえ上手くできなかった。
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