ダブル☆ラブ☆ゲーム
*StayとKiss*
ブブブブ・・・・
ブブブブ・・・・



テーブルの上においてあった携帯が鳴って、手に軽く振動が伝わる。



「柚月っ!鳴ってる!!」



クミが待ってましたとばかりに素早く反応して大声で教えてくれる。



分かってるって。



この電話を待つ為に私達わざわざ支度して早めに集合してる訳だし。



あの後学校から出て一回それぞれ家に戻って支度をしてから



太陽くんの家の最寄り駅のカフェでずっと待機してる状態。



連絡が来るまで自宅待機でいんじゃん?って提案したんだけど



クミがそれじゃ落ち着かないからって事でマイミ含め三人でこうして愛斗達の部活が終わるのを待っていたのだ。



だから今の電話はきっと待ちに待った゛終わったよ゛という連絡に違いない。



これできっと他の人からの電話だったらクミがどんだけキレるか・・・。



「早く出ろっ」とクミに焦らされてる中、私はゆっくりと携帯の着信画面を見る。



・・・よかった。



真哉からだ。



通話ボタンを押して耳に当てる。



「もっしもーし」



ちょっとダルそうに出るとざわざわとした雑音が耳に響いた。



「あ、ゆづ?なんかさっき愛斗から連絡があってこれから太陽ん家に行くってさ」



真哉はちょっと焦ったように早口で事情を伝えてくれた。



待たせたって思ってくれてるのかな?



真哉の優しさを勝手に過大評価してみる。



「で?今ゆづ達はどこ?」



「教えてもらった通りみなみ駅の近くにいるけど?」



チラっとクミを見ると興奮してるように「なんだって!?」と会話の先を急いでる感じ。



目線をまたガラスの外に戻すと



「うちらどうすればいい?」



と聞いてみる。



「そうだなぁー・・・。とりあえず俺も今駅着いたからそっち行くわ」



そう言ってきた真哉の声の後ろからはホームのアナウンスが聞こえてきた。



本当にたった今着いたんだね。



電車を降りてから電話をしてくる辺り、やっぱ意外とちゃんとしてるのかも。



私は電話しながら何度も真哉の人間性を観察していた。
< 38 / 78 >

この作品をシェア

pagetop