ギャルバン!!! 2nd The Re:Bandz!!!!
リンナ、アンブレ、事務所脱税疑惑、枕営業、黒い影。





目を引く見出しで煽られていたが、週刊誌の記事を元にしたニュースだった。





「どういうこと?」





テレビの中では面識のあるアナウンサーがニュース原稿を読んでいる。





「モデルの祥雲リンナさんや、ビジュアル系バンドのアンコンシャス・ブレイキングが所属する芸能事務所が移籍金や架空経費などの偽装行為により、三年間で三億円の所得隠し、一億円の所得税を脱税した法人税法違反罪の疑いがあると―――」





関係者からリークされたという今回のニュースは、脱税疑惑の他にも枕営業やよくない裏の組織との関係が伝えられていた。





アナウンサーが中継先に呼びかけると事務所の前に大勢の報道陣が詰めかけていた。





その中を走り抜けていく小さな女性。





マコモちゃんだ。





顔が映らないよう配慮されているものの何としてもコメントがほしい記者達にもみくちゃにされながら事務所に入っていった。





そして中継先がまた切り替わると見知った風景が映し出される。





思い当たって道路に面した窓のカーテンに開いた隙間から下を見ると報道陣が10人ほどいる。





どうやらこれを見越した事務所の指示だったらしい。





これが今日だけで済めばいいけど、何日も続いたら生きていけない。





事務所がどうなっているかわからないけど、私自身もこのままではいけない。





そう考えあぐねていた時、マコモちゃんから今日二度目の着信があった。





「もしもし? マコモちゃん?」





彼女は電話の向こうで泣いていた。





「ごめんなさい。こんなことになるなんて………」





「さっきからニュースで見てるけど、どういうことなの?」





ごめんなさい、を何度も何度も繰り返しながら私は彼女が泣きやむようにと声をかけ続けた。





やっと落ち着いた頃には、時々歌番組でお世話になる女子アナウンサーが、いってらっしゃい、と世の男性に朝からさわやかな笑顔を振りまいていた。





「すみません。ちゃんと話しますね………」





きっと事務所の入っているビルの屋上にでもいるんだろう。





遠くに車のクラクションが聞こえた。





「今回の件は全部私が引き起こした事件なんです」





鼻声のマコモちゃんは涙をこらえながら話し出した。





「リンナさんがうちの事務所に入ったばかりの頃、社長が誰かと電話をしているのを聞いてしまって。リンナさんに枕営業させるって話してたんです」





三年前も同じようなことがあった。





ワタシをモデルになるまで育ててくれた事務所だったが枕営業をさせられそうになって辞めた。





何度こんなことをさせられるのか。





「リンナさんもそんな目に遭わせたくなくて私、柚木編集長に相談したんです。柚木編集長って前は週刊誌の編集長だったんです。でも柚木編集長は悪くないんです。実際にそんなことをしてたうちの事務所が悪いんです。ただ、こんなにも大事になるなんて私も思ってませんでした」







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