王子様は囚われ王女に恋をする
眠っているアリシアの横で
イライザは本を読んでいた。

「王女様はお昼寝中かな?」

耳に心地よい声に本から顔をあげると
目の前に驚くべき人物が立っていた。

「カイル様っ…」

イライザが慌ててアリシアを起こそうとした時
カイルは口元に「シッ」と人差し指をあて
静かにするように指示した。

「起こさないでいい」

「え…?」

「気持ちよく寝ているんだ。寝かせてあげよう」

カイルはそう言うと、当たり前のようにアリシアの横に座り
彼女の頭を自分の肩にもたれかけさせた。

「あのっ…」

おろおろするイライザを見て
カイル王子は小さく笑った。

「肩を貸すだけだ。
何もしないから心配するな」

「は…はい」

自分の考えが読まれたことに
イライザは顔を赤くしてうつむいた。


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