王子様は囚われ王女に恋をする
「ん…」

寝ているアリシアが身じろぎした。

「そろそろお目覚めだな。
イライザ、代わってくれ」

カイルはそう言うと
自分の肩に載せていたアリシアの頭を
そっとイライザの肩に載せた。

「あの、どうして…」

「僕の顔を見たら、お姫様は不機嫌になるだろ?」

カイルは小さく笑うと立ち上がった。

「今夜は舞踏会がある。
僕の父と母がアリシア王女に会いたいそうだから
出席するように伝えてくれ」

「は、はい」

カイルは眠るアリシアに目をやると
そのまま立ち去った。

カイルが去ってしばらくしてから、アリシアは目覚めた。

「ん~よく寝たわ」

大きく伸びをするとアリシアはイライザを見た。

「イライザ、ずっと肩を貸してくれていたの?
重かったでしょう?ありがとう」

にっこりと微笑まれて、イライザはとっさに嘘をついた。

「いえ、重くなんてありませんでしたから」

「そう?でもおかげで気持ちよく眠れたわ。
イライザ、そろそろ部屋に戻りましょうか」

「はい」

イライザはアリシアに従い庭園を後にした。


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