王子様は囚われ王女に恋をする
「では目をつぶってもらおうか」

「目を…ですか?」

「そうだ。何でも罰は受けるんだろう?」

カイルの言葉にうなずくと、アリシアは瞳を閉じた。

不安な気持ちで何が起きるか待っていると、ベッドがきしむ音がした。

そしてすぐ近くに気配を感じた瞬間、唇に何かが触れる。

その感触に驚いてアリシアは目を開ける。

カイルの顔が目の前にあった。

カイルはアリシアに優しく口づけたあと、唇を離した。

「これは僕に隠し事をした罰」

そして驚いたまま動けないアリシアにさっきより深く口づける。

「…ん」

アリシアは左手で思わずカイルの腕につかまる。

何度も求められて息が上がる。

「今のは僕を死ぬほど心配させた罰だ」

息を乱し、頬を染めるアリシアの潤んだ瞳を見つめる。

「今日はこのくらいにしておこう。君のケガが治ったら、この程度ではすまないよ」

「カイル様…」

「アリシア、君がなんと言おうと僕はもう君を離すつもりはない」

アリシアの頬を両手で包み、最後に軽くキスするとカイルはアリシアをベッドに横たわらせた。

「もう休むんだ。また会いに来る」

そう言うとアリシアを残して公務へ戻っていった。
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